8,700人の日本人「投資家」達がアメリカの詐欺師に計1,300億円を騙し取られたと言う投資詐欺事件を検証する

レセプト債ポンジースキーム詐欺 ~株式会社オプティファクター~

昨年11月に破綻が明らかになったレセプト債の実質的な発行元の株式会社オプティファクターは、当初からポンジースキームによる投資詐欺或いはそれに近い運営だったことが明らかになった。

以下は讀賣新聞の記事
レセプト債破綻、ファンド約63億円流用
2016年02月02日 03時00分

 レセプト債の発行元ファンドの破綻問題で、投資家の出資でファンドに集められた資金から約63億円が、ファンドを管理する「オプティファクター」(東京)側の運営などに流用されていたことが、証券取引等監視委員会の調べでわかった。

 ファンド3社は債券発行を始めた直後から資金不足となり、投資家への償還や配当のために新しい債券の発行を繰り返す「自転車操業」に陥っていたという。

 問題のレセプト債は国内外のファンド3社が発行し、全国の中小7証券会社が販売。昨年11月にファンドが破綻し、約2470の法人・個人に発行された約227億円分の債券は償還も配当もされない事態となった。

 投資家向けの説明書では、ファンドの資金は、医療機関から診療報酬請求権を買い取るのに使われ、投資家には後にファンドに入る診療報酬を原資として償還・配当されるはずだった。

金額的には幾分小規模ながらMRIと同じ構図のようだが、こちらは証券会社を通した譲渡取引可能な証券のようなので証券会社にも責任を追及できるなど少々マシか?

産経新聞の記事は更に詳しく、オプティファクターの破綻とレセプト債のポンジースキームを知りながら幹事証券会社としてこの債券を売っていたオプティファクターの実質子会社のアーツ証券の登録取り消しと破産申請を報道している。
2016.2.2 07:55
レセプト債破綻、アーツ証券を刑事告発へ 社長ら債務超過隠蔽の疑い 監視委、近く強制調査

 医療機関の診療報酬請求権を買い取り「レセプト債」と呼ばれる債券を発行していたファンドなどが破綻した問題で、証券取引等監視委員会が、債務超過の事実を隠して販売していたアーツ証券(東京都中央区)の経営陣について、金融商品取引法違反(虚偽告知)罪で検察当局に刑事告発する方針を固めたことが1日、関係者への取材で分かった。監視委は近く、同証券など関係先の強制調査に乗り出す方針。

 同債をめぐってはファンド3社と運用会社「オプティファクター」(東京都品川区)が昨年11月に約291億円の負債を抱え破綻。約2470人の投資家に発行された約227億円分の債券が償還されなくなっていた。監視委によるとアーツ証券は平成16年6月以降、同債を約60億円分販売。川崎正社長ら経営陣は遅くとも25年10月ごろまでにオプティ社の社長から、資金がオプティ社の関連会社に流用されるなどしてファンドが債務超過状態にあることを知らされながら、事実を隠して販売を継続した疑いが持たれている。

 川崎社長らは「安全性の高い商品」と記載した勧誘資料などを継続使用。オプティ社社長とともに、同債を扱うほかの証券6社にも虚偽の決算書などを示して販売を継続させていた。

 監視委は、こうした行為が金商法が禁じる「虚偽告知」に当たるほか、投資家に錯誤を生じさせる詐欺的行為の「偽計」にあたる可能性もあるとみている。オプティ社の経営陣についても共犯に問えるとみて慎重に調査している。レセプト債問題をめぐっては、金融庁が1月29日に、監視委の勧告を受け、同証券に金融商品取引業の登録取り消しなどの行政処分を出した。
 ◇
 アーツ証券は1日、東京地裁に自己破産を申請し、保全管理命令を受けた。帝国データバンクによると、負債総額は約59億円。

産経新聞のもう一つの記事は注目に値する(2016年2月2日東京版第15版23面)。
レセプト債破綻 「国・医療」強調し信用獲得 関係者「自転車操業だった」

 レセプト債は、年利3%配当をうたい、「安全性の高い商品」として東京のアーツ証券と地方の地場証券6社が顧客の高齢者や主婦らを中心に販売していた。「被害」が拡大したのは、その安全性が「国」「医療」といった信用しやすいキーワードとともに強調された点にある。

 「大震災が起きて、東京の病院が全部潰れない限り、大丈夫です」

 愛知県田原市の60代の自営業男性は平成23年、田原証券の営業マンから、こう言われてレセプト債を勧められた。「病院がそんなに潰れるわけはない」。当初は年利3.8%で、1年ごとに配当されたため計3千万円以上購入したという。「老後のための利率のいい貯金と思っていたのに、だまされた」と悔やむ。

 アーツ証券から計600万円分を購入したという東京都の50代の自営業女性は、営業マンの「国の医療制度がバックについているから絶対安全です」との誘い文句に乗ったという。

 だが、信用報酬請求権の買い取り先は、経営が厳しい中小の医療法人。ファンド関係者によると、発行ファンドは、買い取り先の医療法人が減少し、数年先を見越した将来債権にまで手を出し、破たんなどで損失を被るケースも少なくなかったという。また、運用資金の一部は、オプティ社のグループ会社の赤字補填などにも使われていたという。

 この女性は「よく考えれば、ファンドは潰れそうな病院を相手にしているので、安全どころか、むしろリスクは高い。そんな説明を受けたことはなく、詐欺商品だ」と憤る。

 ファンド関係者は「債務超過以降は、償還のために新規募集していたようなもので、まさに自転車操業だった」と語った。
MRIの「被害者」達が信じ込んだ
  「医療行為というものは、景気の動向に関係なく必要…MARS投資は、社会情勢の影響を受けにくい
  「州政府によってMARSの保証制度が定められ…
  「世界が滅亡しないかぎり、MRIは絶対安心…万が一のときは州政府が補償
等々の騙し文句と驚くほど似た、「医療は安定・安全」「いざとなれば政府が後ろ盾」と言うオイシソウな文句に見事に引っかかったカモ達。

仮にオプティファクターが、本当に「レセプト債」ファンドで集めた資金で、謳っていた医療機関向け金融業務を行っていたとしても、このブログで何度も指摘したように、「MARS」だ「レセプト債」だ何だかんだと言ったところで、所詮たった数ヶ月の金繰りに困る経営危機の医療機関から年利29%にも相当する高利で保険機構に対する債権を割引購入するもので、医療機関の立場は、個人に例えれば月末の給料が振り込まれる銀行の通帳とATMカードを闇金屋に渡した借金とそう変わらない。

しかも、オプティファクターが扱っていたと言う「将来債権買取り」の「債権」とは名ばかりで、まだ実際に発生していなければ債権ではないから、本質どころか多分会計上でも単なる無担保融資、それも設備の拡張や更新のような将来を向いた投資のための融資ではなく、上記産経新聞の記事の50代女性の言うとおり、運転資金に詰まった破綻の可能性の大きい医療機関に対する高利貸付けと思われるから、「安全」と言うには値しないアブないマネーゲームだったはずだ。

この手の投資詐欺に共通して見えるのは、少なくとも一部の騙されたカモ達にはリスクとリターンが相関する投資商品を購入したという意識がなく、「利率のいい貯金」感覚だったらしいこと。詐欺師はどこでも同じような騙し文句で深く物事を考える習慣のないカモから金を巻き上げ、またそのようなカモはどこにでもいるものだと言う印象を強くする…

…と締めくくろうと思ったが、年率10%近い異常高リターンに目が眩み、エスクローだのロックボックスだののお門違いのカタカナ言葉を有り難がり、あり得ない州政府の保証とやらの数々の嘘を自分に都合の良いように信じ込み、ホテルでの豪華食事付き「セミナー」や「懇親会」に浮かれ、ラスベガス招待タダ飯旅行で得意満面になり仕組みも何も分かっていない外国の医療制度を相手に、存在しない「MARS市場」とやらで「投資」した気になり、誇らしげに外国送金をして、結局得体の知れない金融会社に金を騙し取られた挙句、一部には「悪いのは州政府だ」「送金先の銀行から金を取り戻す」と息巻いて止まない分子もいるMRIの「騙された人達」と本件を比べると、従業員数十人規模の零細とは言え、歴とした証券会社を名乗る金融機関から年利息3%と言うそこそこの債券をまともに購入しての結果のようだから、被害者側の過失と言うか落ち度は遥かに小さいように思え、同情を禁じ得ない。

このポンジースキーム・レセプト債は、既に破産申請を行い事業清算を表明したアーツ証券(東京都、従業員数23人=2015年11月9日現在得られた情報、以下同様)のほか、の地場証券会社6社から売られていたが、これらの証券会社のウェブサイトを閲覧しても、2016年2月1日現在、少なくともホームページには本件の情報は何も書かれていない。それどころか、「破綻したレセプト債(診療報酬債権)を売っていたと思われる証券会社7社」によれば、事件発覚以来、レセプト債に関する記事・記述を次々と削除・隠蔽しているそうだ。

販売したのが地域密着の地場証券会社と言うことで、多分騙されたのは証券会社の外務員が自転車で訪問するような、地域のお大尽またはそれに近い真の富裕層が多いと思われ、生活破綻などに至る可能性は少ないと思われるのが救いか。破産申請したアーツ証券の詐欺行為の民事及び刑事責任はもとより、小売りした他の証券会社も一定の責任は問われるだろうと思うがどうだろう?

ただし、事情を知りつつ騙し売ったアーツ証券以外の証券会社は、「知らなかった」と主張されれば責任を問うのは簡単ではないかも知れない。「元本保証」のような法的禁句を言って勧誘したのでなければ、投資にリスクは付き物。証券の発行元が破綻したからと言って証券会社は損失を補填する義務はないし、むしろ損失補填は違法。嘘を言って金を集めたのはオプティファクターだから、一次的にはこちらの責任を問うのが本筋だが、MRIと同じく金が無いからポンジースキームで金集めをしたのであり、もう取り戻せる金はいくらも残っていないだろう。
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