8,700人の日本人「投資家」達がアメリカの詐欺師に計1,300億円を騙し取られたと言う投資詐欺事件を検証する

【速報】スターリングエスクロー 80万ドルでクラスアクション和解 ~アメリカの裁判~

2017年6月13日合衆国ネバダ地方裁判所のマッキベン判事は、本件MRI「MARS投資」事件の被告として訴えられていたスターリングエスクロー(LVT=Las Veagas Transportation、ラスベガスのリムジン会社の別名)との和解を仮承認する決定を下した。スターリングエスクローは企業賠償責任保険金80万ドルを原告側に支払う代わりに、原告側は本件に関するスターリングエスクローに対するあらゆる提訴・主張・要求を取り下げ、スターリングエスクローは本件の被告の地位から完全に解放される。

この総計57ページの決定文は、クラスメンバーは通知から52日間以内に本和解に対する異議・除外などを申し立てる権利があるだとか、日本の弁護団を被害者クラスメンバーに通知、ウェブサイトへの広告、異議や除外申立ての受領などを実施する下請けに雇うとか、全ての費用は和解金から拠出するとかの7ページほどの裁判所自身のの文面に続き、21ページの和解契約書中には、本件の複雑さからしてこれ以上裁判で争うのは得策でないと原告・被告双方が和解に合意し、和解解決金の80万ドルはスターリングエスクローから一旦コーエン弁護士に送金され、そこから裁判所の承認の下、最高20万ドルのこの和解に関わるコーエン弁護士の報酬に加えて、経費、税などを抜いたのち、残りの正味金額が第三者の資金管理者に速やかに送金されることなどが記され、最後にファクスなどで送られてきたクラス代表原告の一部と代理人弁護士らの署名と、本件クラスアクション和解についてのその概要・仕組・クラスメンバーの権利などの解説が添付されている。

和解契約書中には、2016年6月17日に8,759人の「被害者」クラスメンバーにクラスアクションの通知が郵送されたが、うち33人はクラスからの除外希望を返信し、372人は未だ住所不明とのことも書かれている。除外希望者は以下の33人:

(1)カトウ・マリコ (2)フジムラ・カズヤ (3)株式会社 EKG (4)エンドウ・レイコ (5)スオ・ナオコ (6)ヤスイ・キクコ (7)ノグチ・カズオ (8)ウチダ・スミオ (9)ウケイ・ナオミ (10)クリヤマ・ケンイチロウ (11)クリヤマ・カツコ (12)オカヤス・カズオ (13)ヤマモト・タカシ (14)キムラ・ミツオ (15)アサノ・マサノリ (16)オボラ・マリ (17)オボラ・チヨコ (18)シマムラ・カズオ (19)ニシ・ヨシノリ (20)ニシ・ルミ (21)ニシグチ・ユミ (22)マスダ・ヨウスケ (23)マスダ・クニコ (24)ムカイ・ミチコ (25)ムカイ・マサル (26)タケゾエ・ミツロウ (27)ケイダ・ヨリコ (28)マキノ・ユウキ (29)タカモト・タケル (30)シムラ・マサノブ (31)シモムラ・アツコ (32)タカヤマ・ショウイチ (33)タカヤマ・マチコ。

日本の対MRI・対鈴木一家の訴訟原告(クラスアクションと利益が相反するので自動的に除外)かと思いきやそうでもなさそうで、名前を見ると夫婦・親戚もいるようだが、何故除外を希望したのかは不明。この期に及んで個別訴訟を起こすとも思えないから、摩った金のごく一部とは言え多少でも金が戻る可能性を拒絶する理由が知りたい。

決定文中の予定表によれば、先ず2017年7月24日に下請けの日本の被害弁護団から各クラスメンバー宛てに和解通知書が送られ、同意書・仮請求書が各メンバーから返送、異議申立てなどの手続きの締めくくりとなる2017年11月17日の最終聴聞会を経たのちに本件和解の最終承認が下され、各メンバーが正式請求書を提出して和解が完全成立する見込み。

また、裁判所の文面中には、原告側の要請により、和解金は即座に原告クラスメンバーらに配当されず、配当は本件裁判が全て決着した後になるとも明記されている。

この決定、特に和解契約書はなかなか興味がもてるものだが、決定文は誰でも閲覧できるので、内容の詳細はフ◯ログ氏に解説してもらえばよろしい。

もっとも、この和解契約書には、事実に関しては原告側がスターリングエスクローを本件詐欺事件の被告として提訴した事実がクラスアクションの承認などと共に淡々と記されているだけで、原告側のスターリングエスクローの本件で之役割の主張だとか責任追及だとかはたまたスターリングエスクロー側のそれに対する反論だとかは一切書かれていない。単に、80万ドル払うから全てをチャラにすると言うことが、何をチャラにするかを含めて詳細に書かれているに過ぎない。まぁ、和解契約書だからそんなものだろう。

80万ドル(約9,000万円)の和解金とは言え、裁判所の承認の下、コーエン弁護士が報酬を25%(20万ドル)抜き、日本の弁護団が「通知管理者」として報酬を抜き、その他諸費用を差し引けば、実際の「正味金額」は対象のクラスメンバーが9,000人近くもいることを考えると微々たるものになる可能性がある。例えば、少なめに見積もってクラスメンバー一人当たり1千円の費用がかかったとして約1千万円の費用。残った「正味金額」そのものからも最終的には第三者資金管理者(エスクロー)の報酬が払われるはずで、クラスメンバー一人当たり平均額は5,000~6,000円程度か?もちろん、これらの報酬・経費は「妥当な金額である」というネバダ地方裁判所の承認が必要で、綺麗なパンフレットとか弁護士とかの見せかけの権威を有り難がり意味なく服従する一部のカモ達が例の同窓会掲示板で心配するように日本の弁護団が「公式見解」と称して好き勝手に自分の取り分を抜けるわけではない。全てはネバダ州及び合衆国の法律と司法システム・慣例に従い合衆国ネバダ地方裁判所が決定する。

なお、弁護士報酬・経費控除後の正味和解金は、最終配当までの間ペンシルバニア州に本拠を置く「Heffler Claims Group(HCG)」と言うクラスアクション回収資金管理を専門とする第三者機関(エスクロー)が預かる。

コーエン弁護士にしてみればようやく20万ドル(約2,200万円)の報酬を確保したことになるが、これから鈴木一家関連の和解だか裁判だかが控えているとは言え、4年間も続けてきて20万ドルでは余りオイシイ話ではなかっただろうと想像するが、コーエン弁護士は本裁判(陪審審理)の勝算が薄いと見たのか、手当たり次第被告を増やして少額の和解金を引き出して事件の早期決着の道を探っているように思える。

追記 上記決定添付の解説を読むと、この和解は、クラスアクションそのものとは違い、オプトアウトではなくオプトインのようだ。やがて郵送されてくる和解同意書に必要事項を記入して返送しないと和解金の配当には与れないと思われる。

2017年6月15日追記 残念ながらこの決定文の裁判所の文には綴り間違いがある。第3ページ第22行の「be」とあるべきところが「the」になっている。マッキベンも木から落ちる。
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2017-06-15 : Category: None : コメント : 0 : トラックバック : 0
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